窮屈なテレビ界にビートたけし「赤信号皆で渡れば~」秘話語る

1: 鉄チーズ烏 ★@\(^o^)/ 2017/04/15(土) 08:21:19.55 ID:CAP_USER9

 自主規制ばかりが蔓延するテレビの世界。そんな窮屈になった“ギョーカイ”をビートたけし氏が叩っ斬る!

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 オイラの『テレビじゃ言えない』(小学館新書)って新書がソコソコ売れているらしい。これは、オイラが最近感じている「テレビじゃ言いたい放題やりたい放題ができなくなってる」ってフラストレーションを、政治から下ネタまであらゆるところでぶつけた本だ。

 最近はテレビの文句をサンザン言ってきたけど、オイラ自身はもう次の段階に移らなきゃいけねェと思ってる。業界の体質に文句を言ってるだけじゃなくて、閉塞感をぶち破るためにアイディアを出さなきゃいけないってことだよな。

 思い出してみると、1980年代前半にオイラが『THE MANZAI』でやりたい放題の毒ガス漫才をやってたときだって、「禁止事項」が色々あったんだ。

 まず楽屋に入ると、壁に「本日のスポンサーは○○、△△、××」 と、ダァーッと貼ってあるんだよね。自動車メーカーがあるから事故や暴走ネタはダメ、ビールメーカーがあるから酔っ払いネタも飲酒運転もダメだってね。

「赤信号みんなで渡れば怖くない」「寝る前にキチンと締めよう親の首」なんて言って、視聴者からはオイラにはタブーなんてまるでないように見えただろうけど、実際は毎回いろんな制限の中をかいくぐってネタを考えてたんだよ。

 観客を指さして「ババア死ね」「ブスばっかりだ」ってやる客いじりも、オイラまでは「それはやらない約束」だったわけ。がんじがらめの中で、昔の芸人がやったことをそのままやったって勝ち目がないから、発想の転換で御法度をやったんだよな。

 オイラが生み出した「新語」も規制の副産物だよな。

「チンポ」とか「コーマン」なんて言葉を作って、ど真ん中の放送禁止用語をセーフにしちまったし、「乞食」って言葉が使えないから「レゲエのおじさん」と言い換えた。「ホームレス」なんて無機質な言葉よりよっぽどマシだし、響きが温かいと思ってる。

 何が言いたいかっていうと、「ルールが厳しきゃ厳しいほど宇宙は広がっていく」ってことなんだ。

 各人のセンスと腕の見せ所というかさ。アメフトがアメリカ限定の人気なのに、サッカーが国際的に受け入れられているのは「手を使っちゃいけない」って制限があるからだよ。アルゼンチンのメッシが「天才的だ」っていわれるのは、手が使えない中で観客の想像を超えてくる動きをするからなんだよな。

 つまり規制を正面から批判するだけじゃ何も変わらないし、芸がない。オイラたち作り手は、誰も想像しなかったやり方で規制を飛び越える手段を考えなきゃいけないと思うんだ。

 たとえば、走り高跳びの「背面跳び」を考えりゃわかりやすい。みんなが「挟み跳び」や「ベリーロール」をやってたなかで、1968年のメキシコ五輪ではそれまで誰も想像しなかった背面跳びをやる選手が出てくる。そういう革命的な発想が、テレビという表現の世界でも壁をぶち破るはずなんだよ。

 70歳になったオイラがこれからそれをやってのけることができればいいけど、もしかしたらそんな革命を実現するのは、これまでのテレビ業界とは全く関係ないヤツかもしれない。大事なのは、テレビにそういう天才を受け入れる土壌があるかだよ。

※SAPIO2017年5月号
https://www.news-postseven.com/archives/20170415_508473.html?PAGE=1#container

P22takeshi

テレビじゃ言えない (小学館新書)
ビートたけし
小学館
2017-02-01


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